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労働基準監督署の調査

労働基準監督署の調査とは、臨検監督、臨検検査、あるいは単に臨検とも呼ばれていて、企業が労働基準法やほかの労働関連法律を遵守しているか、加えて労働者が安全かつ適正な労働環境で働くことができているか、労働基準監督官が書類のチェックや事情聴取で法令に違反していないか調査をします。
労働基準監督署には方面(監察課)と呼ばれる部署があり、ここでは監督指導だけでなく、司法警察事務としての権限もあります。従って重大・悪質な事案では、刑事事件としての聴取や捜査や、差し押さえ逮捕権を持っています。よほど悪質でない限り送検までいくことはないにせよ、社名公表などのリスクもあるので、不誠実な対応はできないのは当たり前です。

そんな恐ろしい臨検ですが、正しい知識と事前の備えがあれば憂いなしです。きちんと対応すれば恐れることはありません。今回は臨検について、まずは臨検の流れから見ていきましょう。

臨検の流れ

(1)事業所への訪問・予告
原則的に予告せず立入調査を行います。ただし必要に応じて、あらかじめ書類等の準備を促すこともあり、ここ最近では予告するケースも増えてきているようです。
調査には4つの種類があり、労働基準監督署が主体的・計画的に対象となる事業所を選定してから行う「定期監督」、労働者からの申告があったときに行う「申告監督」、労働災害が発生したときに実施される「災害時監督」と、是正勧告等があったのち改善措置があったか確認するための「再監督」があります。訪問・予告の段階で、立入調査が不要と判断された場合は、出頭要請書が交付され、必要書類を持って出頭すれば立入調査が実施されることなく終了となります。
よく聞かれますが、臨検を拒否することはできません。労働基準法では30万円以下の罰金と定められているので、最悪の場合は刑事処分の可能性があります。

(2)事業所へ立入調査
前述の通り、予告なく立ち入りが原則です。調査は事情聴取、帳簿の確認などあり、書類はその場で提出が求められます。いきなりの調査に、時間的、精神的にも余裕が失われるかもしれませんが、そんな時こそ冷静に対応することが求められます。
提出を求められる書類には、労働者名簿、タイムカードや出勤簿、賃金台帳、就業規則、労使協定(36協定)、労働条件通知書、労働契約書、健康診断票、有給休暇管理簿、労働者数の分かるメモ、組織図、残業に係る書類や、有資格者一覧などがあり、業種や調査の目的によって異なります。
立入調査で違反が認められない場合はここで無事終了。しかし、残念ながら違反があったと認められるときは行政指導ということになってしまいます。

(3)文書指導
文書指導には、改善指導・是正勧告書・使用停止等命令があります。また、口頭での指導や助言も行います。
これらの指導で改善できれば指導の終了、改善されない場合はさらに指導や再監査が行われます。それでもなお悪質かつ法令違反があるならば、検察庁への送検という可能性もありますが、そこまでいくことはほとんどありません。

順番に見ていきます。「改善指導」は、法令違反ではないけれど、改善することが望ましいことについての行政指導。「是正勧告」は、法令違反を指摘、是正期限が定められている指導です。ここまで改善指導、是正勧告は行政指導にあたるので、ともに法的拘束力がありません。とはいえ行政指導に対し行政庁は対策を求めてくるので、無視し続けるという選択肢はありません。
他方、「執行停止命令」は労働者に緊迫した危険があり、緊急を要すると判断した場合に交付されます。命令は行政処分にあたるので、行政指導とは異なり法的な拘束力があります。従わない場合は、6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金となってしまいます。

監督指導の状況

監督指導の年間実施件数は、たとえば平成30年でおよそ17万件ありました。そのうち定期監督では、およそ68%の事業場において労働基準関係法令違反が認められました。 法令違反の内容は以下のようになっています。
①時間外労働に関する届出がない、あるいは届け出た時間を上回って時間外労働を行わせた
②機械や設備などの安全基準を満たしていなかった
③時間外労働に対して割増賃金を支払っていない
なおこれらの違反は、監督官の指導によってほぼ是正されています。

「臨検は恐ろしい」
そう考えている責任者や経営者の方は少なくありません。というよりほとんどの方がそう思っているのではないでしょうか。しかし監督官の仕事が単に問題点を指摘することだけではないということが、是正結果に表れています。
臨検で監督官に対応した責任者の話でも「問題解決の具体的なアドバイスがもらえた。」「難しい課題も正直に相談したら真摯に対応してくれた。」といった感想を聞くことが少なくありません。
もちろん問題点を指摘することは監督官の仕事であり、その指摘が経営の妨げとなったりすることもあるかもしれません。しかし、是正することで仕事がうまく行かないというようなことがあるなら、従来の仕事のプロセスに問題がないか探ってみるのも一つの方法です。ボトルネックは思いもしない場所にあるものなので。
社会保険労務士は行政と企業の間に立ち、様々な観点から人事労務の課題を解決していきます。いきなり臨検が来てしまったときでも、しっかり対応できる当法人を、ぜひパートナーにお選びください。

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