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休職とは?メリット・デメリット。就業規則について。
休職とは?メリット・デメリット。就業規則について。

休職とは、従業員が自己都合で長期にわたり、労働契約は維持したまま会社を休む制度をいいます。労働基準法など、法令による定めがないため、会社で運用するには、就業規則で規定しておく必要があります。
本制度については「一時的に働くことができなくなった社員を保護する」という解釈が一般的かもしれませんが、休職は本来、会社が命じる処分の一つであり、働けなくなった社員の解雇を、一定の期間猶予するという目的があることにも注意したいです。

休職制度がある場合のない場合でどう違うのか。具体的に見てみましょう。
――従業員から「うつ病で勤務することが困難となった。回復するまで休職させてほしい。」という申し出があった――
就業規則に休職についての定めがない場合、「休職という制度がないため認められない」として、出社しない期間は欠勤で無給扱い、一定の期間が経過したところで解雇、ということが考えられます。自主退社など他のルートも考えられると思いますが、結果はあまり変わりません。
逆に休職についての定めがある場合ならどうでしょう。従業員からの申し出があれば、規則で求められた適正性や書類が整うことで、休職の可否について制度的に対応することができます。そして期間満了までに回復したならば復職、回復の見込みがなければ復職は困難、自動退職ということになります。

うつ病に代表される心の病はすでに身近な疾患で、もはや他人ごとではありません。良好な労働環境を維持することは、優秀な人材を獲得することにも直結、ひいては企業の生産性アップにもつながります。責任者であれば、トラブルになる前に備えておくことも必要だと考えることができます。

休職制度のメリット・デメリット
休職という制度は、短期的に見ればデメリットの方が多いかもしれません。しかもデメリットは経費という数値化できるのに対し、メリットは気持ちの問題ともいえるような表現が目立ちます。しかし逆をいえば、デメリットはお金で解決できるのに対し、メリットはお金だけではどうにもならないと考えることができます。多くの企業で導入、あるいは認知された制度なのだから、それなりに理由があるということなのでしょう。

取りあえずデメリットから見ていきます。
【休職の間も社会保険料を負担する必要がある】
労働基準法第24条では、ノーワーク・ノーペイの原則が定められています。休職期間中であれば給料を払う必要はないとしても、社会保険料の納付義務がなくなったわけではない点に注意が必要です。
【ほかの従業員の負担が増す】
前提として休職者が元の現場に復職する制度なので、代替要員の雇用や補充が難しくなる傾向があります。

次はメリットについて。
【離職率の低下】【従業員のモチベーションアップ】
従業員が安心して働くことができるようになります。病気やケガはだれにでも起こりうること、まさかの時のセーフティネットがきちんと整っていれば、そういう会社で働きたいと考える従業員は少なくないと考えられます。
【復職後の会社の戦力維持】
休職という選択肢がなく、それが避けられないならば、解雇か退職の二択です。その後、欠員補充のための採用や教育に時間と経費を費やすか、ほかの従業員に負担させるか、といった選択に迫られます。もちろん休職でも時間と経費が掛かるわけですが、仮にかかるコストが同じだった場合、従業員のモチベーションを下げない施策は、果たしてどちらなのか?ということです。
【制度的な運用】
休職についての定めがなく、ケースバイケースで対応していたとしたら、そのための人的コストや平等性が失われるリスクがあります。もっというなら就業規則で定めがあったとしても、休職事案では労働問題に発展してしまうことがあります。その規則すら初めからないならば、最低限のトラブルすら回避することができなくなってしまうのです。

就業規則で定めておくべきこと
「労働者が、次のいずれかに該当するとき(※1)は、所定の期間(※2)休職とする。」
(※1) 「次のいずれか」の部分で、事故や病気など、どんな場合に休職の対象となるかを定めます
(※2) 法律上の定めがないので、会社の都合で決めることができます

「休職期間が満了してもなお傷病が治癒せず就業が困難な場合は、休職期間の満了(※3)をもって自動退職とする。」
自動退職とは、休職期間が満了した場合、当然に契約が終了することをいいます。
(※3) こちらも法律上の定めがないので、会社の都合で決めることができます。勤続年数によって違う期間を設けることも可能です。

「休職期間中に休職事由が消滅したときは、原則として元の職務に復帰させる。ただし、元の職務に復帰させることが困難又は不適当な場合には、他の職務に就かせることがある。(※4)」
(※4) 復職する際に、従業員の希望を尊重することも大切ですが、医師の判断や診断書、直接の上長や管理者の意見も取り入れて総合的に勘案することも大切です。特に、休職となった原因が職場にあったと推察できる場合、その問題が解消されていなければ、最悪、休職を繰り返してしまうといったことも考えられます。

厚労省ではこれらをテンプレートとして公開していますが、賃金についての取り決めも必須といえるでしょう。
ノーワーク・ノーペイの原則から無給とすることも可能です。議論になりやすいのが社宅や住宅手当なので、基本給のみ無支給とするか、各種手当まで無支給とするか明示しておくことも良いでしょう。
ほかに、期間満了時に復職できないと判断されたとき、自己都合なのか会社都合とするか、退職金の扱い、解雇予告の交付時期など、手続きの記載も必要です。休職中の社会保険料についての定めも明記しておくとなお良しです。