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固定残業代とは?(1)固定残業代のメリット・デメリット

固定残業代とは?(1)固定残業代のメリット・デメリット
固定残業代とは?(2)残業代がもとでトラブルになった事例
固定残業代とは?(3)固定残業代制度の導入方法

固定残業代とは
固定残業代とは、実際に残業があった無かったにかかわらず、毎月の基本給とは別に、固定の残業代として支給する賃金のことをいいます。
分かりやすく具体例をここに紹介します。
(例)基本給25.6万円・8時間労働・月平均20日出勤・固定残業30時間
256,000円(基本給)÷160(労働時間*1)×1.25(割増基準*2)×30(固定残業時間)=60,000円
これを基本給と合算した、316,000円が固定残業代込みの賃金として支払われることになります。
*1…8時間労働として月平均20日出勤した場合
*2…割増賃金は労働基準法における残業割増率

ときに使用者が、固定残業代を導入する動機として「人件費の削減」「裁量労働」を挙げられることがありますが、これは正しい認識ということはできません。労働者にとって働きやすい環境を作ることが大切だということを忘れてはいけません。
労働者は、就業時間内に仕事を終わらせることを意識することで労働時間が短縮される、あるいは時間的生産性が向上するといった効果を得ることもでき、結果的に人件費の削減や売上のアップにつながっていくことが理想的です。正しく運用すれば労働者にとっても使用者にとっても利益が得られる制度なのです。

よく混同されるもので「みなし残業」があります。ひと時ニュースでも取りざたされたので、知っている方も多いと思いますが、「みなし残業」は、労働基準法38条「みなし労働時間制」に基づく別の制度です。「みなし残業」を正しく活用するには、職種の制限、監督者による管理など、低くないハードルがあるので注意しましょう。

固定残業代制度のメリット
1.不公平感の解消
同じ仕事量を、社員Aは8時間、社員Bは10時間かかるとします。社員Aは就業時間内に終わらせることができますが、社員Bは2時間の残業を要すことになります。仕事の効率面で不公平感を解消することができます。
2.仕事効率の向上
効率の低い従業員がいたとして、残業時間を少しでも減らせるよう試行錯誤したり、あるいはスキルアップをはかったりを促すことができます。
3.年間人件費の大まかな予測を立てることがでる
4.給与の安定とモチベーションアップ
社員にとっては、残業代の有無による給与変動が少なくなるため、生活資金が安定し、あるいは上記理由でプライベート時間が増える可能性すらあり、モチベーションアップにもつながります。
5.給与計算の手間が減ります

固定残業代制度のデメリット
制度上の欠点というよりも、誤認や誤解で生じるデメリットについてお話しします。
1.いくら残業しても残業代は払わなくてよい
よくある誤解ですが、固定残業を超える時間働いた場合には、その分の手当てを支払う必要があります。深夜労働や休日出勤も、超過すれば規定に従って支払わなくてはなりません。認識がなかったとしても放置すれば未払い賃金ということになり、過去に何度も争われています。
2.残業がデフォルトになる
固定残業代を支払っている以上、残業して当たり前という考え方。仕事が早く終わったら早く帰った方がいいですね。そもそも「固定残業代制度のメリット」に記した1~2を否定することになってますし、本当に残業が必要なとき、よけいに残業代を支払うことにもなりかねません。
3.固定残業代制度そのものがややこしい
行政を弁護するわけではないですが、制度が難しくなるのは当然のことです。あらゆる業種職種をカバーするために作られた労働基準法ですが、真にそれぞれの立場を勘案することは不可能です。そのために会社ごと就業規則で定める必要があり、労基署があり、社労士や弁護士のような専門家も存在するわけです。


今回は固定残業代について、さわりだけお話ししました。次回以降でケーススタディや運用方法についてお話ししたいと思います。

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